欧米では、マンションの暖房といえばパネルヒーターです。セントラル方式で各戸の室内に設置されたパネルにお湯を通し、その熱で室内を温める方式です。欧米のホテルやマンションでパネルヒーターを見たときに日本人が驚くのは、パネルがぜんぜん熱くないということです。手で触れても、ほんのり温かい程度です。そんなぬるま湯でも24時間休みなく全館にお湯が通りつづけていることによって、雪がしんしんと降る厳寒の目でさえ建物内はどこも春のように暖かく維持されます。日本でも本格的な仕様の外断熱マンションでは、パネルヒーターが設置されているところがあります。真冬でも暖房ということが意識されないほど快適です。このようなパネル方式が、最近は冷房でも可能になってきました。外断熱建物での設置を前提に開発された「低エクセルギー冷暖房システム」を例にとって紹介しましょう。このシステムでは、冷房の場合には15〜20度のぬるい冷水、暖房の場合には20〜35度程度のぬるいお湯(つまり低エクセルギー冷温水)をパネルにまわします。ほとんど冷暖房効果がないのではないかと思うくらいの水温ですが、これを24時間にわたって運転することで外断熱マンションの躯体が快適な温度になり、室温も快適な状態を維持できます。