マンションというものは新築のときは工事の現場を見ることもできず、出来合いの建物を買うだけにすぎないが、建て替えはいわば注文建築である。予算や他の住戸との調整はともかくとして、1人1人が、こんな設備を入れたい、間取りはこんなふうにしたいという要望を出すことができるし、工事中もそれこそコンクリートの打ち方や鉄筋の留め方に至るまで、ここはちゃんとやってほしいという部分を自分の目でチェックすることも可能だ。そしてそのおかげで、イヤがっていたディベロッパーを説きふせて、免震構造の建物にすることができたのである。いまやそのディベロッパーは「先進の免震構造のマンション」を売りにしている。そう、住民ががんばったので、ディベロッパーも結局得をしたのである。日常の管理組合活動を管理会社にお任せにしないのと同じように、皆さんもせっかく建て替えるなら、ディベロッパーやゼネコンに任せきりにせずに、自分たちが選んだ設計事務所と一緒に自分たちの手で、ぜひ納得がいくマンションづくりを成功させてほしい。